アーリーリタイア後のキャッシュフロー

 今までアーリーリタイアを検討してきましたが、前提は2028年までは働くというものでした。ですが、仕事の状況も好転しそうになく転職も考える中で、仮に3年半後の2024年7月に辞めるとした場合を検討してみることにしました。

 米国MBAというキャリア上、超高待遇を求めない限り転職も現実的ですが、所詮組織に属することになり、根源的な不満である人に指図されたり人の都合で働きたくないという点は解消されません。

 もう一つ、あと8年も働く前提にしていた理由は、子供が小さい間は働く姿を見せておいた方がいいのではという点と、子供の学校等に対する世間体の問題でした。ですが、そもそも今現在Work from homeが続いている状況では、辞めた後で家でゴロゴロしない限りは、会社のために仕事をするのも自分のために仕事をするのも、子供にとって大きな違いはありません。

世間体という点についても、少なくともFPと宅建の資格を取って個人で開業はするつもりなので、問題ないのではと思うようになりました。儲かっているかとかその事業で食えているかは見えませんから。

 そして、辞めたら札幌に住むという点においても子供の教育の観点からも問題なさそうで、具体的なシュミレーションができる条件が整っています。

 

ということで、いままで作っていたキャッシュフローを更新して、細かい諸条件まで加味したシュミレーションをしてみました。退職時期は、2024年2月ごろに会社に通知、2024年5月初めから有休消化、2024年7月に退職ということで、2025年のキャッシュフローから掲載しています。

前提条件

収入

・配当収入は2021年の見込みをベースに、毎年の新規投資は配当利回り1%の銘柄に投資、保有銘柄は2026年までの5年間は毎年3%、その後は毎年1%の増配としています。

また、いわゆる成長が期待できない高配当株は一切保有予定としていません。理由は、高配当がいつまで続くかわからないからです。私の手法である割安な成長株のみとしています。そのため、平均配当利回りは1%台ととても低いですが、代わりに増配をかなりの確からしさで見込むことができますし、株価自体の値上がりも期待できます。

・トラリピ収入はトラリピの実績を公開している方のブログから取っていますが、2016年からの実績で年率12%のところ9%として見込んでいます。

・配当収入は配当控除を有効活用する前提で住民税の5%のみ支払い、トラリピは法人で行うことで無税としています。

・年金収入は、退職以降は法人の役員として最低ランクの厚生年金を支払い、妻は国民年金3号被保険者適用としています。

支出

・食費・日用品、通信費、光熱費、娯楽費の日常生活費用としては、年254万円となっています。本当は切りよく月20万円で年間240万円としたかったのですが、ここは積み上げの実際の額を利用しています。住居費、税金、教育費を除いて月21万円というのは、むしろ多すぎではないのかと思っています。

・住居は、退職前に3,000万円のマンションを住宅ローンで購入することとしています。相場は3,000万円くらいですが、念のため総額3,500万円(頭金350万円、ローン3,150万円)としています。

・教育費は、大学は二人とも東京の私学の理系という、私学理系+仕送りで最もお金がかかるパターンを採用しています。

また、奨学金や教育ローンなどの諸制度を有効活用することで、支払期間を引き延ばしています。総額3,000万円の支出に対して2,400万円を奨学金や教育ローンで借り入れ、子供の大学卒業後20年間にわたり返済していく計画です。こうすることで、毎年のキャッシュフローを平準化することができ、よりお金が必要な子供が未成年の時期の支払いを減らし、余裕ができる子供が成人後に支払いを移すことができます。

見込んでいないもの

・一応、FPで個人事業を行う予定ですが、個人事業からの収支は全く見込んでいません。

・成長株への投資である一方で、株の売買益は全く見込んでいません。過去の自分の実績からするとそれなりに稼げるはずですが、売買益を見込んだアーリーリタイアは怖くてできません。

ただ、年利10%で売買益を確保するだけで全く異なる状況になるので、騰落レシオや信用評価損益率、新安値銘柄数の3つが一定程度の水準以下になる、年に1回とかのチャンスを狙って売買も行いたいとは思っています。

・確定拠出年金の値上がりも見込んでいません。私は先進国株インデックス、妻はおおぶねなので、60歳の取り崩し時に全く増えていないということはあり得ませんが、計算上全く見込んでいません。仮に上がったとしても、引き出せるのは60歳からなので、増えたとしてもあまり意味がないということもあります。

2025年~2034年の10年間

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2034年は丁度、長男が大学卒業、次男が高校入学となります。つまり、教育費でお金がかかる時期となります。それでも前述の奨学金と教育ローンをフル活用することで、毎年は黒字かトントンをキープしています。2030年の一時費用の増加は、教育ローンを一気に借りるためです。ここまで借りなくても問題ないのですが、低利で借りれるものは借りておこうという考えです。

配当収入は年3%の増配を見ているのですが、正直増配がなく2025年の水準が続いたとしてもあまり問題はありません。

2035年~2044年の10年間

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この期間は、次男の大学がありお金のかかる時期がある一方で、2043年に60歳となってまずは確定拠出年金を受領し始めます。見ての通り、教育費の支出はそれなりに平準化されて毎年続いています。

年金は全くあてにしていないキャッシュフローとしているので、60歳以降は黒字が増えます。しかも、家族4人での生活費を全く見直していないため、生活費にも大分余裕が出てくるはずです。

2045年~2055年の10年間

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この期間になると、年金収入、住宅ローンを返し終わった不動産収入の増加があり、さらに余裕になります。住宅ローンは家賃の見込みを現在と同じ水準にしていますので、実際はもう少し下がるかもしれませんが、まあ大差はありません。

このような見込みであるため、低利で借り入れることができる場合はできるだけ利用し、支払を人生の後半に持ってきたいと思っています。

まとめ

結論は全く問題ないということになりますが、一番のポイントは毎年の黒字を確保しているため資産の取り崩しによる減少におびえなくていいということになります。また、仮に株式市場が下落相場になり毎月のように資産が減る期間になっても、企業業績自体が堅調であれば配当は維持されるはずで、マーケット要因による資産の減は無視することができます。

もちろん企業業績が要因による配当の減少については、そのような企業に投資をしないこと、業績に陰りが見えたら売却し違う銘柄に乗り換えることで防ぐことになります。この点は今もやっている私の投資手法そのものですし、ボケるまでは継続していけると考えています。

逆に、子供に残したい資産以外は使っていかないと減らないということでもあります。特に60歳以降は大幅な黒字が見込まれるため、できるだけ早い時期に借り入れを起こして、支払いが60歳以降にかかるようにファイナンスしていくのが賢いやり方だと思っています。

てか、正直言って、今すぐにでも辞めれると思います。。。金銭面的には。

ただ、アメリカにいることによる子供へのメリットは計り知れないので、全く楽しくない仕事ですが、アメリカにいる間は我慢して2024年には、アメリカにいたとしても辞める。3年以内に帰国となったら、そこから2023年末までは準備期間として資格の取得に励み、2024年に辞めるって感じですかね。

アメリカにいる状態で退職を告げる場合は、辞め方も重要になります。

理想なのは次の動き方でしょうか。

・2024年1月に、2024年7月での退職を告げる

・2024年3月までに家族は日本に帰国、札幌で居住開始。とりあえずは賃貸。

平行してマンションを探し始めて、先行帰国した家族で内覧等を行う。

・2024年4月に帰国。帰国後退職までに札幌でのマンション購入。

・2024年5月有休消化開始。

・2024年7月退職。

ただ、この場合はいいマンションがタイミングよく見つかるのかなど、問題点だらけなので、一番いいのは帰国している状態で退職を告げることになります。

最後に、おまけで資産の推移も。

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