投資タイミングの測り方

株式投資において投資タイミングを決める要因としては二つの要因があると考えています。今回は、その要因から個別株投資の買いタイミングを考えていきたいと思っています。

そもそも、ほとんどの株式はマーケットの影響を受けます。どんなに好業績の会社も、例えばリーマンショック時には株価は下げました。ということで、最近は、マーケットが下落したタイミングで、いい会社を買うというのがたどり着いた結論です。

要因その1・・・マーケットの下落を見極める(マクロな視点)

マーケットの下落をはかる指標として私が採用しているのは、次の5つの指標です。

  • 予想EPS前年比
  • 裁定買残株数
  • 騰落レシオ
  • 新安値数
  • 買い方信用評価損益
・予想EPS前年比

この中で、予想EPS前年比だけは他の指標と用途が違います。以前も記事にしましたが、大きなトレンドとして下落局面と上昇局面を測るために使います。詳しくは前回の記事を読んでいただきたいのですが、簡単に言うと、予想EPS前年比の下落が始まったら新規買いは止めて、ポジションも見直します。具体的には、すべて売ることはしないのですが、本当に超長期で持ちたい株のみにします。

では、上昇局面はどうかというとこれは正直難しいです。個別株の底を当てることが難しいのと同様に、底を見極めることは非常に難しい。一旦、ヨコヨコになったと思ってもそこから下げる場合もあります。また、逆にヨコヨコからちょっと上げたからといって、買うとそこからすぐに下がるケースもあります。

一番確実なのは、予想EPS前年比が0%以下まで下がったあとに、横ばいになったタイミングです。さすがに、予想EPS前年比であるため、0%以下の水準が延々と続くことはありません。予想EPS前年比0%以下が続いたら、買い目線になっていいと思います。

・その他の4つの指標

その他の4つの指標は、短期的な底を測るために使います。それぞれの指標の意味は他のサイト等で調べればすぐにわかると思います。使い方としては、それぞれの指標を単独で見たり、何か絶対的な水準があるわけではありません。これらの指標を毎日記録して、これ以上は下がらないだろうというタイミングを判断するしかありません。

ちなみに、裁定買残株数は250,000千株程度、騰落レシオ70台、新安値数400以上を目安、買い方信用評価損益率は-20%としています。

要因その2・・・いい会社を見極める(ミクロな視点)

さて、マクロな視点で買うタイミングを計ったら次は何を買うかです。私が、企業を選ぶ上で注意しているのは以下の点です。

  • 業績が景気で変動する会社は、必ず景気の底で買う。この場合、PERは関係ない。具体的には、要因その1の予想EPS前年比0%以下が続いたら調べ始めるという感じです。調べた結果、前年度比増益が崩れて減益が続いた後で、前年度比減益が前年度比同じか増益に代わるタイミングの企業があればベストです。
  • 市場の拡大もしくは、海外市場への展開などによって、売上の成長が見込める企業
  • 景気循環銘柄以外は、過去のPERと比較して割安であればPERの絶対値は参考にしない。

おまけ

さらにアーリーリタイアして時間が生まれたら、次のこともやってみたいと考えています。

 

1.定点観測

全上場企業の決算短信を読む。特に前年度比増収増益企業を業種別にまとめるとトレンドがわかるかも。結局、株価は増益が保たれている間はいいが、増益傾向が弱まると下がってくる。特に製造業をチェックしたい。

 

2.全企業の週足チャートのチェックで日柄を読む

一番効率がいい資金の投下方法は、ヨコヨコが続いている株が何らかの要因で株価が跳ね上がるタイミング直前に買う方法だと思っています。時間と地道な作業が必要になりますが、実践出来たら手堅いと思っています。

 

3.特定の大企業の株価を毎日記録してうねり取り

景気循環株でない大型株、例えば食品会社のような企業は利益水準も一定のレンジで動き、大きく増えもしないが減りもしないため、株価も一定のレンジで動くことが多いと思っています。そのため、特定の企業の株価を毎日記録してこの特性に慣れると、比較的安全にうねり取りができるのではないかと思っています。

・本当に自分が使う優待銘柄をピックアップ

クオカードなどの優待銘柄は改悪の可能性がある上、優待利回りもそんなによくありません。それなら、その資金で別の株を買った方がいい気がします。それより自社製品やサービスを優待にしている企業で、自分が実生活で使う製品やサービスがあれば、実質利回りがとても高くなります。

資金効率を考える

資金効率を考えると、アーリーリタイア後は以下の二つの組み合わせで投資をしていきたいと考えています。

・生活費のための配当用

定期収入が配当のみということになると、やはり安定が最優先になります。そのため、短中期でマーケットの増減に合わせてポジションを動かすのは、主に精神的に難しいと考えています。

ここの戦略は、

配当利回りが要因その2で見極めたいい会社の中で配当利回りが2%以上ある会社を、要員その1で買い長期保有をする。

のがベストだと思っています。

巷では、高配当株への投資が人気ですが、高配当株は得てして今後の事業の伸びが期待できません。また、配当性向も高いため、利益の伸びが期待できないことから増配も先が見えています。それよりも、配当利回りはそこそこでも将来の成長が期待できる会社に投資をし、業績の伸長による株価の上昇と配当金の増額の両方の恩恵を受けたいと思っています。 

・資金効率を重視した短中期売買

とはいえ、やはり要因その1でこれからマーケットが下落すると判断したのに、今のポジションを保ち続けるというのは経済的には合理的ではありません。精神的な面から生活費のためのポジションは持ち続けるのですが、それ以外は一旦ポジションを外したいところです。また、急騰した株は一旦売却したくなります。

そのため、資金の何割かで上記おまけの1~3の投資方法を実践してみたいと考えています。

・日常生活での現金セーブのための優待

最後は優待です。今は、給料があり定期的な現金収入が約束されているため、優待で多くても5%程度の利回りを求めるより、そのお金を成長する会社に投資をしたいと考えています。ただし、アーリーリタイア後は定期的な現金収入もしくは日常生活で現金の使用を抑えることができる方法は貴重になります。上記、生活費のための配当用と同じ考え方で、主に精神安定剤として、日常生活に必要な製品やサービスの優待を取っておくことは有益だと思っています。

今できること

アーリーリタイアまで10年以上ある上、現在の資産水準を続けることができれば、今後の給与からの貯金と合わせて十分にアーリーリタイア用の資金は貯まる計算です。

そのため、今から要因その1とその2を踏まえて、生活費のための配当用として成長が見込める企業の中で配当利回り2%以上の会社に資金を寄せていくつもりです。その上で、数年に一度のマーケットの下落があった場合、日常生活での現金セーブのための優待銘柄を集めるつもりです。

さらに、アーリーリタイアが近くなったら、マーケットが高いタイミング(予想EPS前年比が30%程度になり、それ以上上がらなくなったら)で何割かを売却し、安全資産としてのBND(Vanguard Total Bond Market ETF)に変えていきたいと考えています。理論上は、株価が高いときはBNDは安いはずですので。