Automatic Data Processing(ADP)銘柄分析 人事関連業務アウトソーシングで世界No1。鉄壁の収益と財務基盤。実質無借金でROE50%超え。

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ADPは、世界最大手の人事関連業務のアウトソーシング事業を営んでいる会社です。メインはADPという人事給与システムで、私が勤務している米国事業所でも導入しています。顧客は世界140か国で81万社。単一画面で多言語対応。さらに、有名なADP全米雇用統計の公表元です。

財務

PL

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各財務指標の4年間のCAGRは次の通りで文句なし。しかも、売り上げの伸びより各利益の伸びの方が大きくなっています。特に一過性の利益もないようなので、売り上げの伸び=コストの伸びとならずに、固定費が高く変動費が低いビジネスだということが分かります。まあ、ビジネスの内容からして明白なのですが。

Revenue:5%

Gross Profit:6.13%

Operating Income:8.30%

Net Income:11.31%

BS

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Cashが1.9Bで、Long Term Debtが2.0Bなので、実質無借金経営ということになります。しかもTreasury Stockが13Bなので、未償却の自己株式が13Bもあります。Other Current AssetsとOther Current Liabilitiesが29Bずつと大きいですが、これは顧客の給与支払いを同社のシステムを通じて行うことによる一時的な預かり金と支払債務のようです。当然、リスクはなくむしろ、この一時的な預かり金からも利息が発生し2019年は562M(利回りは2.2%)の収益とのこと。ぼろ儲けですね。

その他にBSで気になるところはなく、とてもシンプルなBSです。

ということで、おそらく既に自社株買いを死ぬほどしてEquityがとても小さくなっているため、5BのEquityに対して2.3B程度のNet Incomeを稼ぐためROEは驚異の50%越えです。

CFは詳細は載せませんが、Operating CFな2019は2.6Bに上ります。

 Valuation

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今期PERが32.01で来季PERが24.17なので、今期EPS5.24、来期EPS6.96となり33%の増益見込みとなります。今季の配当も3.06とPayout Ratio58.4%と無理はありません。

 

Valuation的にも、今すぐに買っても問題ないように思えます。まあ、相場は不安定なので、次の相場の下落時に買いたいと思います。