ゼロからの楽天経済圏への入り方と優待クロスのはじめ方(その1)

楽天経済圏と優待クロスは、前々から興味がある分野でした。もちろん、海外居住者の間は試してみることができないので、帰国した後でと思っていましたが、今回日本にいる親がこの二つを始める手伝いをすることになりました。

両親も高齢ということで、私も両親のお金関係は把握するようにしているのですが、銀行口座に普通預金であるそれなりの現金を見るたびにもったいないと思っていました。

ですが、高齢でもあり現金をリスクのある金融商品に投じるのは何か違うなと思っていました。元本確保の投資商品を探すのですが、日本国債や定期預金など利回りが低すぎて検討対象になりません。アメリカだと譲渡性預金で利回り3%くらいとか普通にあるんですけどねえ。

そこで考えたのが優待クロスです。優待クロスをするにあたってはたとえ1日であろうとも現物で権利を取る必要があります。ということは、元手が必要であり、その元手は毎月月末には現金で確保する必要があります。そうなると、何かしらの金融商品で運用している場合は、そのお金を優待クロスに使うことは難しく、優待クロス用の元手は他の運用に回すのは難しくなります。

一方で、一般信用を使う優待クロスは、手数料以外は元本は確保されています。今回の両親のケースに合致すると考えました。また、月末の権利取り以外は現金で置いてあるため、IPO投資とも相性が良く、IPO投資と優待クロスを組み合わせたいと思っています。

世の中で優待クロスとIPOの二つを専門にやっている人がなぜ多いのかが初めて理解できました。

ついでに、前から興味のあった楽天経済圏にも参加してみようと思い、ほぼ何もない状態から楽天経済圏と優待クロスをどのように準備して行ったのか、書いてみようと思います。

必要な証券口座、銀行口座、クレジットカード

優待クロスに必要な口座

SMBC日興証券、SBI証券、GMOクリック証券、楽天証券、マネックス証券

優待クロス用に必要な口座は、一般信用が使える口座となります。他の方のブログで調べたところ、SMBC日興証券、auカブコム証券、SBI証券が取り扱い銘柄数も多く、優待クロスでのメインの証券会社とわかりました。

その他に、松井証券、楽天証券、GMOクリック証券、マネックス証券などが優待クロスに向く証券会社のようです。

この中で、auカブコム証券は出金時に特定の銀行のみ無料で大半は1回100円がかかることもあり止めることにして、メインはSMBC日興証券、SBI証券とします。サブでは、楽天経済圏の必要性から楽天証券、IPOが100%平等割当なマネックス証券、一般信用が残っていることが多いらしいGMOクリック証券の3つを選びました。

5つの証券口座を管理する銀行口座

楽天銀行

優待クロスは、どこの証券会社で一般信用の在庫があるかわからないため、機動的に上記の5つの口座に資金を移す必要があります。今回は楽天銀行を選びました。後述する楽天経済圏を活用するためには、楽天銀行と楽天証券は外すことができません。また、SBI、GMO、マネックスは楽天銀行からの即時振込に対応しており、問題ありません。SMBC日興証券のみ振込をする必要がありますが、楽天銀行を有効活用すれば他行振込が月2回無料になる会員ステージ「プレミアム」は普通に達成できそうです。

口座開設ポイントを上手にもらう

今回、これだけの数の証券会社等に新規口座開設をするということで、口座開設ポイントを調べました。一方で、あまり手間もかけたくなかったので、モッピーというポイントサイト1つに絞ることにしました。

モッピー経由でポイントをもらえたのは、SBI証券(4,000P)、マネックス証券(5,000P)、楽天カード(4,000P)の三つになります。さらに、楽天のキャンペーンで楽天カード(5,000P)、楽天銀行(1,000P)、楽天でんき(2,000P)をもらうことができました。

なお、それぞれ細かい達成条件があるので整理しておきます。

  • マネックス証券:2020年7月31日(金)までに新規口座開設及び2020年9月30日(水)までに1取引完了(日本株(現物)取引(約定ベース)を1回以上、または投資信託で10,000円以上)
  • 楽天銀行「ATMから入金」または「他行から振込」「ゆうちょ銀行本人名義口座からの入金サービス」にて入金すること。ハッピープログラムに申し込む。
  • 楽天カード:カードを利用すること。
  • SBI証券:新規口座開設後、SBI証券の証券総合口座から住信SBIネット銀行のSBIハイブリッド預金へ一括で50,000円以上の振替

優待クロスとIPO申し込みをする上での資金管理

前述した通り、楽天銀行を使って資金管理をしていきます。SMBC日興証券以外は、即時入金サービスに対応しているので、普段は楽天銀行に資金を置いて優待クロスをする度に資金を該当の証券口座に移すことができます。ですが、SMBC日興証券は楽天銀行から振込をする必要があり、無料の振込回数が決まっているため、ある程度優待クロスの目処をつけて月に1回送金をする必要があります。一方で出金は無料のため、ある程度多めに送金をしていくことになりそうです。

なお、優待クロスの場合、信用売りは売建金額の33%以上の証拠金があればOKですが、現物株は成行で買うためストップ高相当の現金が注文時に必要となります。

優待クロスのコストについて

優待クロスの方法についてはいろいろな情報があるので、特に気になるコストについてまとめてみたいと思います。貸株料はSBIでフライングクロスをした際の22日という最大をとってみました。

 1日定額と約定毎のどちらが安いのかは、その時々という感じですね。しかし、クオカード500円くらいの株価も安い優待を取りに行くなら、SBIのアクティブを使いたくなりますね。

例えば、100株で500円のクオカードがもらえる5959岡部は83,200円なので、SBI証券のアクティブで売買すれば貸株料のみということになります。一方でスタンダードだと433円もかかるわけで、ほとんど利益が出ません。

低位株のクロスの日と値嵩株のクロスの日を別の日にして、それぞれアクティブとスタンダードとすることで手数料を抑えられそうです。ちなみに、権利落ちの日は現渡しをするので手数料は関係ありません。また、SBIでは、「国内株式現物取引」、「国内株式制度信用取引」、「国内株式一般信用取引」の「約定代金合計額」・「手数料」は各々別口として計算するため、買いを制度信用とすれば、売りの一般信用とは別に計算できます。

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優待クロスの実際の流れ

マネックスは14日前、SBIとGMOクリックは15営業日前の19時から短期一般信用ができます。2020年6月は、30日(火)が権利日のため権利落ち日は29日(月)となり、権利付き最終日は前営業日の26日(金)となります。ということは、権利落ち日を含めた15営業日前なので6月9日(火)が第1営業日で約定日となります。

注文自体は、前日の19時から注文受付なので、前日の19日から翌朝の寄成で注文を出します。

また、前日に注文を出した上で、その日の0時までに手数料プランを変えることで、翌日は異なる手数料で注文を出すことが可能です。(午前0時以降に注文方法の変更が有効になるため)。

手仕舞いは、権利落ち日の29日(月)の寄成で現渡しで手仕舞いします。

なお、優待クロスのポジションを建てる時は、現物株を直接買うのではなく信用買いをして現引きをした方が手数料が安くなる場合もあります。

優待クロスのその他TIPS

最近は、長期保有の株主にのみ優待権利発生というケースも増えています。その対策として、不完全かもしれませんが端株で1株のみ保有し単位株は優待クロスで調達するという方法があります。株主番号は同じになるはずで、まさか端株があるから弾くなんて処理はしないと思います。

また、別にTIPSではないですが、事実として優待クロスは手数料分だけ口座のお金は減っていきます。そのため補充をする必要がありますが、併用するIPO投資が数年に1回あたり、うまく補充ができないかと思っています。