Baidu、Alibaba、Tencent(日経ビジネス2019年7月1日号)

世の中のトレンドを知る方法として、新聞が真っ先に上がりますが、私は敢えてビジネス誌を定期購読しています。単なる事実を知りたければ今はインターネットで無料で情報が取れます。ビジネス誌であれば、新聞よりも詳細な分析記事が読める上にカラーかつ図もたくさんで読みやすいということで愛用しています。

これまでは、ほぼ読みっ放しだったのですが、備忘録として気になる記事を取り上げてみたいと思います。投資にも役立つアイデアがあるかもしれません。

 

さて、今週の日経ビジネスの特集は、中国IT大手としてBaidu、Alibaba、Tencentの特集でした。興味深かった点をいくつか。

貴陽ビックデータ交易所

中国南西部の貴省州という最貧地域州都・貴陽市に中国政府の肝いりでデータセンターの集積を始めているということです。すでに、中国IT大手だけでなく、アップルやマイクロソフトなどもデータセンターを建設、さらに貴陽ビックデータ交易所において天気や工業、金融などにかんする4000種類以上のデータが取引可能だとか。

これを始めたのが2016年からなので凄まじいスピード感ですね。しかし、データの蓄積に再度光が当たり始めている感がありますが、日本でも朝日ネットなどデータセンター系の企業を調べようかと思います。

満幇集団(トラックのウーバー)

日本でもトラックのマッチングビジネスというのはあって、古くはトランコム、最近だと雨後の筍のように様々なアプリが乱立している感があります。そんななかでやはり中国だと思うのが、この企業は国の後押しのもとで、大型トラック運送のシェア70%に達するとのこと。650万の業者と160万人の荷主が登録して339都市でサービスを展開というのだから圧倒的ですね。

ビジネスモデルも、マッチング手数料は無料にしてトラック運転手への金融サービスが収益源と面白いことをやっています。トラック運転手毎の配送状況をすべて記録し、それを活かすことでビジネスの状況を把握し信用情報を査定する。これは、トラック運転手に特化した金融業ですね。

今後、様々なビジネス分野のデータに特化した企業が出てくると、その企業はそのデータを使ってより詳細に経営状況を把握できるようになります。そうなると、銀行といった従来の貸し手よりもリスクを取った資金の出し手となり、ますます銀行は苦境に立たされていくような気がしました。

日系企業の提携

イオンディライトがアリババ系のスタートアップディープブルーと次世代型店舗開発で提携。ツムラの平安保険グループとの資本提携で、平安保険グループの顧客ネットワークでツムラの漢方薬を売る。など、面白そうな提携が進んでいます。

ツムラは今後の成長という意味で面白いかと思ったのですが、業績を見てみると売り上げは順調に伸びているのですが、営業利益率が年々低下しEPSはむしろ年々下がっています。この理由を調べない限り投資対象としては厳しそうです。株価の水準的にはいい位置なのですが。

トライアルホールディングス

非上場の会社ですが、ITを駆使した店づくりとしてセルフレジ機能付きカート、顧客の購買情報を取るカメラを店内に張り巡らせ、デジタルサイネージを多数配置しているとのこと。さらにすごいのが、これらのIT機器やソフトウェアは自前で開発しているとのこと。少し前は自前主義ではなく持たざる経営などと言われましたが、最近はむしろ内製化が流行りのような気がします。ここから得られるデータは、メーカーにとっては宝の山でしょうか。