欧州の地図サービス会社 ヒアテクノロジーズ

最近、ゼンリンに興味があります。元々いい企業だと思っていたところ、Google mapから外されたことで株価の水準も安くなってきました。ただ、ゼンリンは言うまでもなく日本国内限定の地図サービス会社です。世界ではGoogle mapがもちろん有名ですが、欧州にもヒアテクノロジーズという会社があります。

ヒアテクノロジーズ

元々ノキアの地図部門でしたが2015年にBMW、アウディ、ダイムラーのドイツ自動車メーカーによって買収されています。欧米のカーナビゲーションシステム用の地図では8割のシェアがあるみたいです。

地図の作成方法

デジタル地図の作成方法は、8万件にもなるパートナーから地理情報データをもらってデジタル化するということで、そのマッチング技術に強みがあります。タクシー会社や物流会社とも提携し、車載データ等を受領するようです。自前のデータ収集車両は世界で約400台とあり、これは少ないように感じました。

このように、地図データの収集は外部の会社に任せて、その情報の収集・マッチング・地図化を主なビジネスにしているということです。

さらに、最近、オープンロケーションプラットフォームというデータ基盤をスタートさせました。欧米ではすでに先行してスタートしており、日本でもこの6月に提供を始めています。

世界中の地図情報を共通のデータ基盤として集めてさらに第三者に提供するというまさに、地図業界のGoogleみたいな思想のこのサービスはMicrosoftも自社製品にこのデータ基盤を使っているようです。

ゼンリンとの関係は

現在のところ、ヒアの日本での提携先はパイオニアの地図関連子会社であるインクリメントPみたいです。MapFanを提供している会社ですね。ゼンリンがこれから世界の地図プラットフォーマーになれるとは思えないため、以下に日本国内でのNo1地図データ保有者の地位を守れるかでしょう。ゼンリンも、自動運転用の高精度地図の事業化を目指す会社として、ダイナミックマップ基盤企画を日本の自動車メーカーと一緒に立ち上げています。現在のところ、日本国内の自動運転用高精度地図についてはゼンリンがリードしていると思いますので、うまく収益化をしてもらいたいものです。