アーリーリタイア後に配当収入をメインとする場合の実効税率の検討

さて、前の記事では社会保険料を最低限にするための、所得水準について検討しました。それにより、社会保険料が計算できましたので、配当収入を総合課税とし配当控除の恩恵を受けた場合の、所得税の実効税率を計算してみたいと思います。

所得金額

・事業所得/不動産所得・・・夫112万円/妻33万円

配当収入以外の世帯所得145万円以下(夫127万円以下)であれば、社会保険料を最低限にできますので、妻の国民健康保険料計算時の控除を最大限使うことを考え、事業所得もしくは不動産所得で夫112万円、妻33万円があるものとします。

・国内株式配当所得・・・夫600万円/妻52万円

配偶者特別控除の恩恵をMAXで受けるためには、妻の所得を85万円以下にする必要があるため、MAXでも52万円となります。

・外国株式配当所得・・・夫120万円/妻0円

外国税額控除の計算例のため、外国株式も加えます。

 

所得控除額

・基礎控除・・・夫48万円/妻48万円

・配偶者特別控除・・・夫38万円

・社会保険料控除・・・国民健康保険188,346円(夫)

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合計・・・夫1,048,346円/妻480,000円

 

課税所得額と所得税率

夫・・・8,320,000円-1,048,346円=7,271,654円×23%-636,000円=1,036,480円

妻・・・850,000円-480,000円=370,000円×5%=18,500円

配当控除

夫・・・600万円×10%=60万円

妻・・・52万円×10%=5.2万円

外国税額控除

限度額・・・1,036,480円×(200万円/800万円)=259,120円

夫・・・120万円×10%=12万円

所得税額

夫・・・1,036,480円-600,000円-120,000円=316,480円

妻・・・18,500円-52,000円=0円

配当金にかかる源泉徴収額と還付額

夫・・・316,480円-1,095,480円(7,200,000円×15.215%)=▲779,000円

妻・・・0円-79,118円(520,000円×15.215%)=▲79,118円

実効税率

316,480円の他に配当金への住民税として720万円×5%=36万円が源泉徴収されており、さらに外国株の現地での源泉徴収として120万円×10%=12万円が源泉徴収されているため、合計で796,480円となり、所得税と住民税を合わせた実効税率は9.6%となります。