サラリーマン卒業に必要な資産規模
私は、FIREに向けて株式投資で必要な資産規模とキャッシュフローを達成しようとしています。世間一般でこの方法としては、株式投資の他に不動産投資がメジャーだと思います。
楽待コラムで不動産投資の場合の必要な資産規模という面白い記事を見つけたので、その記事を引用しつつ株式投資家として自分のケースを検証してみたいと思います。
不動産投資でのサラリーマン卒業に必要な資産規模
こちらが楽待の記事になりまして、複数の不動産投資の手法における必要な資産規模をシュミレーションしています。以下に引用させていただきます。(もし、引用がまずかったらすぐに消します。)詳しい内容は、リンク先の記事をご覧になってください。
条件は、月50万円を必要CFとし税引前の純粋な手取りとして年750万円を得るのに必要な資産規模としています。
・RCフルローン(利回り8%)
資産規模70,909万円、家賃5,656万円、72.5室(家賃6.5万円)
・木造APフルローン(利回り12%)
資産規模38,048万円、家賃4,565万円、76室(家賃5万円)
・築古戸建フルローン(利回り15%)
資産規模130,000万円、家賃18,000万円、300室(家賃5万円)
・築古戸建現金買い(利回り15%)
資産規模7,142万円、家賃1,071万円、18室(家賃5万円)
これを読んだ感想は、不動産はレバレッジを活かして資産形成が早いと聞いていたけど、諸費用とか修繕費とか空室率とかをまともに考えると、やっぱり大変なんだなあという感想です。
フルローンなので自己資金を入れれば、もう少し必要資産規模は下がるのでしょうが、一方で現金が必要となります。一番資産規模が少ない木造APの10%の自己資金でも3,000万円近く必要になります。それに一棟6室くらいの木造APとすると、13棟くらい買わなければいけません。いい物件をそれだけ見つけるのも大変そうです。
一番物件数が少ないのは築古戸建現金買いの18室ですが、家賃5万円で利回り15%ということは、購入金額400万円なんですよね。しかもこれは修繕費や購入時の諸経費込みです。諸経費を50万円くらいとすると、本体と改修に使えるのは350万円しかありません。
たしかに、本や成功している方のブログを読むと350万円くらいで買って、5〜6万円くらいで貸すというのが定番のようです。だけど、350万円って結構な田舎に行かないとありません。千葉県だったら外房など、東京の郊外とは言えないエリアです。東京が通勤県内の東京郊外エリアだとどうしても800〜1,000万円くらいとなりますが、家賃相場はそれだけのupに見合うものではありません。
それなら、成功している人たちのように350万円で買って、5〜6万円で貸せるエリアを探せばいいじゃないかと思いますが、そのようなエリアに7,000万円近くも資産を突っ込むのはどうなんだろうと考えてしまうわけです。
借りる人さえいれば問題ないのかもしれませんが、やはりこのようなエリアの資産性は低いわけで流動性の観点からも投資した7,000万円はそうそう簡単に引き上げることはできないでしょう。さらに、不動産は売買に一定額の諸経費がかかります。本体価格が安いとこの諸経費も無視できない割合となるでしょう。
さらに、その他の入居者からのクレームや退去の度に発生する仕事、建物のメンテナンス経費などを考えると、こういうことを楽しみとして行えて、かつ流動性をある程度犠牲にすることで、不動産投資による資産形成にチャレンジできるのだなと改めて思いました。
まとまりがないですが、改めて数字を見て思ったのは、そこまで不動産投資に数字上のアドバンテージがあるわけではなく、他の資産形成手段と比較する際は本人の好みや得意不得意が大きな要因になるなと思った次第です。
株式投資の場合の資産規模
一方で、株式投資で年750万円のキャッシュフローを達成するためにはどうしたらいいでしょうか。不確実なキャピタルゲインを一切考慮せずにインカムゲインだけで考えると、以下のようになります。
まずは、配当課税を考慮しますが、FIREで他の収入がない場合は配当控除を有効活用できるので、住民税のみの5%を実行課税率とします。そうすると750万円の手取りのために必要な年間配当額は790万円となります。
あとは、配当利回り別に計算すればよく以下のとおりとなります。
配当利回り 必要資産額
1% 79,000万円
2% 39,500万円
3% 26,333万円
4% 19,750万円
5% 15,800万円
6% 13,167万円
7% 11,286万円
実際、7%とかは無理なので、最大頑張っても4%くらいでしょう。それでも2億近い現金が必要となります。2億あったらこんな細かい計算せずにFIREすると言われそうですね。
ここで最近いいなと思っているFXのトラリピを加えてみたいと思います。
トラリピの解説は他のプロの方がたくさんいますので、そちらを参照してもらうとして私がトラリピに目をつけたポイントだけ書きたいと思います。
・自動売買で手間があまりかからない
・流動性はあるので、いざという時に現金化しやすい
・為替は、ゼロサムでありスワップのインカムゲインではなく、キャピタルゲインで利益を確保するのが合理的。
・スワップによるインカムゲインの源泉は、インフレに対抗するための高金利でありインフレ化の通貨は時間が経つにつれて減価していく。減価していく資産を購入することは合理的ではない。
・トラリピは、平均回帰性の観点からもロスカットされない資金量があり長期的に継続するのであれば、合理的に思える。
・著名なブロガーがトラリピの成績を公開しており、10%の利回りは信頼性が高いように思えるし、コロナショックも生き残って利益をあげている。
株式投資とFXのトラリピの併用の場合の資産規模
トラリピは年利10%程度が期待できる利回りのようですので、これを固定値として株式投資の配当利回りを計算していきます。
・トラリピに2,000万円を投資するケース
トラリピ:2,000万円×10%=200万円/年
株式投資から必要な金額:550万円/95%=580万円
配当利回り 必要資産額
1% 58,000万円
2% 29,000万円
3% 19,333万円
4% 14,500万円
・トラリピに3,000万円を投資するケース
トラリピ:3,000万円×10%=300万円/年
株式投資から必要な金額:450万円/95%=474万円
配当利回り 必要資産額
1% 47,400万円
2% 23,700万円
3% 15,800万円
4% 11,850万円
・トラリピに4,000万円を投資するケース
トラリピ:4,000万円×10%=400万円/年
株式投資から必要な金額:350万円/95%=368万円
配当利回り 必要資産額
1% 36,800万円
2% 18,400万円
3% 12,266万円
4% 9,200万円
配当利回り4%でみると、それぞれで合計必要金額は、16,500万円、14,850万円、13,200万円となります。
15,000万円程度となると、そこまで無理という感じでもなくなります。それに、前提として年間750万円の手取りというかなり大きな額を得ることを目的としているので、これを年間400万円程度にすれば必要金額も少なくなります。
私の場合は(理想)
私の場合を考えてみると、やはり手間や継続性などの観点から、不動産投資をメインドライバーとしてFIREのキャッシュフローを得るのは現実的ではありません。それに、株式投資で十分に成功しているというのもあります。
かといって、配当だけで必要なキャッシュフローを得ようとすると高配当銘柄のみのポートフォリをとなり、私の中小型株の成長投資というスタイルとも合わないのでトラリピとの併用が一番現実的だと思います。
ただ、上では書きませんでしたが、一番現実的なのは得意な中小型株の成長投資、高配当銘柄投資、トラリピの3つの併用でしょう。これに優待クロスで年10%くらいで生活費の補填ができたら最高です。優待クロスの利回りについては、他の方のブログで100万円でクロスをした場合の年間利回りはという検証記事から10%を採用しました。当然元手が大きくなれば利回りも下がるのですが、家族4人分で一人250万円と考えるとそこまで無理でもないかもしれません。
トラリピ(年利10%):2,000万円・・・年間200万円
高配当株(年利5%):3,000万円・・・年間142万円(実行税率95%)
成長株(年利1.5%):25,000万円・・・年間356万円(実効税率95%)
優待クロス(年利10%):1,000万円・・・年間100万円分
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合計(年利3%) 31,000万円・・・年間798万円
ちなみに前提として家は、1,000万円くらいの中古戸建を買って500万円くらいでリフォームで家賃はかからない前提です。また、不動産投資をキャッシュフローの柱にはしにくいと書きましたが、興味はあるのでおまけ程度でこれはという戸建てを見つけたら、やってみたいという気持ちはあります。
これ全部達成するには、35,000万円くらいの資金が必要になりそうです。そもそも35,000万円もあったら、こんなこと考えなくてもいいという話ですね。。。
実際のシュミレーションでは
上記の例はあくまで理想です。実際のシュミレーションでは、以下のようにしています。
- トラリピ(年5%)・・・帰国後から開始。2,000万円からスタートしてFIRE前は、利益は元本に追加して増やしていく。FIRE後は、元本はそのまま。
- 優待クロス(年5%)・・・帰国後から開始。1,000万円からスタートして、元本はそのまま。
- 高配当株(年3.7%)・・・現在の保有株のうち高配当株に相当するものをこのまま保有し続ける。新規追加も増配もなし。
- 成長株(年1.5%)・・・今後の余剰資金はすべて、成長株の買い増しにあてる。買い増し時は0.5%の配当利回りとする。増配率はFIREまで年3%。なお、余剰資金の原資は給与+配当ー支出であり、株価の値上がり益は見込んでいない。
上記のシュミレーションでも2028年を目標としているFIREの時には生活していくのに十分はキャッシュフローが得られるはずです。
なお、リスクとしては以下のものがあります。当然、ダウンサイドのみが現実になれば予定通りのキャッシュフローが得られないのですが、前提条件をかなり低く見積もっているのでダウンサイドが起こる可能性は限りなく低いと思っています。
・アップサイド・・・正直、最低レベルの条件としているのでアップサイド要因だらけだと思っています。
- トラリピ、優待クロスの利回りが5%以上になる
- 高配当株の増配
- 成長株の増配率が3.0%以上となる
- 成長株の新規買増し時の配当利回りが0.5%以上となる
- 株価が値上がりする。
・ダウンサイド・・・ダウンサイドは言い出したら切りがないのですが、起こり得るものとしては次のものがあげられます。ちなみに、株価が値下がりしてもキャッシュフローには影響がないためダウンサイドのリスクにはなりません。
- 手持ちの株の増配率が3.0%に満たない
- 高配当株が減配する
- 給与が減る、または支出が増えて予定通りの貯蓄ができない
- 成長株の新規買増し時の配当利回りが0.5%未満となる
- トラリピ、優待クロスの利回りが5%に達しない
駐在中は給与面での待遇、職場環境、自分のキャリア、子供の教育とあえてやめる要素がないと思っています。帰国がいつになるかはわかりませんが、帰国したら真剣にFIREの準備をしていこうと考えています。