高配当株投資を諦める

去年の4月頃にチャールズシュワブ証券で証券口座を開きました。米国に来て3年が経っているので、日本で株をやっている身からしたら遅かったかもしれません。

その後、米国株の投資スタイルとして取り入れたのは巷で流行っていた高配当株投資でした。タバコ銘柄とか石油銘柄とかですね。それに連続高配当なディフェンシブ銘柄を加える形です。

ですが、それもこのあいだのADPの売却でおしまいとなります。4月頃から段階的に売り始めて、完全にポートフォリオを入れ替えました。

 

米国株で高配当銘柄にした理由は、ひとえに米国では割安になっている成長株を探すのが難しいという理由がありました。再三書いているように、日本株では割安だと考える小型成長株に投資をしています。その観点からすると、今後業績が伸びる見込みのない会社に高配当を期待して買うというのは二重に耐えられない投資でした。

 

一つは、そもそも業績が伸びないのだから配当も伸びないということです。二つ目は、仮に配当が伸びたとしても配当性向の高まりとともに将来の配当の伸びの限界が見えてくることです。

 

まあ、それ以前に株価が下落した時に、今後会社が成長するに伴って必ず株価は戻るという期待が持てないのが大きな要因でした。高配当銘柄に投資をする方達は、株価は考えずにひたすら配当によるキャッシュフローをKPIとしています。その人たちにとっては極論すると資産の減少は関係なく、配当の水準が保たれていればいいということのようです。

ですが、私には含み損益も含めた資産時価総額が投資の結果であり、そこを無視するのは精神的にも許容できませんでした。

 

たしかに、私も数年後のFIREのためのKPIとして、その時点の年間配当金額を使っています。現在の投資資産からの配当金額と、今後の貯金からの投資で生まれる配当金の合計で目標額に達する見込みとしています。こうすることで、KPIと株価の値動きを切り離すことができます。

ですが、このKPIの設定と、そもそも資産時価総額が成長する期待値が低いこととは話が違います。企業の成長に伴い資産が増えることが株式投資の醍醐味であり、その過程の中で市場の要因による資産時価総額の増減とKPIを切り離したいというのが趣旨であり、投資企業の成長に伴う資産の成長を捨てることはできません。

 

正直に言って、FIRE後は安定的なキャッシュフローのために資産の一定割合での日本の高配当株への投資も検討していました。三菱商事の配当利回りが6%超とかお得に見えますよね。幸い今は日本株は動かせないので、三菱商事とかNTTが魅力的な配当利回りになっても資金を移すことはしませんでした。その代わりに米国株で高配当銘柄に投資をしたのですが。

 

その結果として、高配当株への投資は自分の投資スタイルではないということがわかったわけです。資産総額の小さい米国株のために年初から20万程度の実損(機会損失を考えるとそれ以上ですが)で済んだのは、むしろ僥倖でしょうか。

今後は投資銘柄はブレることがあっても、この大原則はブレることなく投資を続けていきたいと思います。